筋トレのRPE計算ツールと換算表
筋トレのRPEは、セットのきつさを1〜10の数値で表したものです。あと何回できたか(余力回数、RIR)で決まり、RPE 10なら0回、RPE 9なら1回、RPE 8なら2回です。
RPEから重量を計算
使う重量
75 kg
RPE 8:余力2回。1RMの75%です。
RPE・RIR換算表
1RMが100 kgのとき、8回で使う重量です。
| RPE | RIR | セット終了時 | 重量 |
|---|---|---|---|
| 10 | 0 | 限界(あと0回) | 78.9 kg |
| 9.5 | 0 | あと0回。重量は少し増やせた | 77.9 kg |
| 9 | 1 | あと1回 | 76.9 kg |
| 8.5 | 1〜2 | あと1〜2回 | 76 kg |
| 8 | 2 | あと2回 | 75 kg |
| 7.5 | 2〜3 | あと2〜3回 | ≈ 74.1 kg |
| 7 | 3 | あと3回 | ≈ 73.2 kg |
| 5〜6 | 4〜6 | あと4〜6回 | 重量の計算なし |
| 3〜4 | — | 軽い | 重量の計算なし |
| 1〜2 | — | ほぼ負担なし | 重量の計算なし |
≈:余力回数を含めると10回を超えるセットです。10回を超えると、重量は目安になります。
要点
- 「RPE 8で3 × 5」は、7回挙げられる重量で5回を3セット、という意味です。
- 1RM(1回だけ挙げられる最も重い重量)を推定するときは、行った回数に余力回数を足します。RPE 8で80 kgを5回なら、5 + 2 = 7回できる計算なので、Epley式で80 × (1 + 7 ÷ 30) = 98.7 kgです。
- 同じRPEでも、1RMの何%にあたるかは回数で変わります。RPE 8なら、1回で91%、8回で75%です。
- 平均すると、自分で思っているより1回多くできます。そのぶん推定1RMもずれるので、目安として使います。
筋トレでのRPEの意味
RPEはrating of perceived exertionの略で、日本語では「主観的運動強度」と訳されます。筋トレでは、セットを終えたあとに付ける1〜10の数値です。7〜10では、数値が1下がるごとに、余力が1回増えます。
プログラムに「RPE 8で3 × 5」とあれば、7回挙げられる重量で5回を3セット行います。
0.5刻みの数値は、前後の数値の中間を表します。RPE 8.5はあと1〜2回、RPE 7.5はあと2〜3回できた状態です。RPE 9.5だけは例外で、あと1回もできなかったものの、重量はもう少し増やせた状態を指します。
7より下では、余力を1回単位では数えません。5と6はまとめて「あと4〜6回」にあたり、1〜4は、軽い、またはほとんど負担がない状態を表します。主に使われるのは7〜10です。あと何回できるかは、限界に近いほど正確に見積もれるためです。
このスケールが学術論文に登場したのは2016年で、スクワットを行う29人を対象にした研究でした。ページ上部の表は、このスケールを英語から訳したものです。
RIRの意味:余力回数
RIRはreps in reserveの略で、余力回数、つまりセットを終えた時点であと何回できたかを表します。RPE 7〜10では、2つを足すと10になるので、一方が分かればもう一方も分かります。
- RIR 0はRPE 10です。
- RIR 1はRPE 9です。
- RIR 2はRPE 8です。
- RIR 3はRPE 7です。
つまり、「RIR 2で4 × 8」と「RPE 8で4 × 8」は同じセットを指します。この関係が成り立つのはRPE 7までです。それより下では、余力は「あと4〜6回」のように幅でしか表せません。
RPE換算表:回数別の1RMの%
回数の行とRPEの列が交わるところを見ると、使う重量が1RM(1回だけ挙げられる最も重い重量)の何%かが分かります。1RMが100 kgなら、%の数字をそのままkgとして読めます。RPE 8で5回なら81 kgです。
| 回数 | RPE 10 | RPE 9 | RPE 8 | RPE 7 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 100% | 94% | 91% | 88% |
| 2 | 94% | 91% | 88% | 86% |
| 3 | 91% | 88% | 86% | 83% |
| 4 | 88% | 86% | 83% | 81% |
| 5 | 86% | 83% | 81% | 79% |
| 6 | 83% | 81% | 79% | 77% |
| 7 | 81% | 79% | 77% | 75% |
| 8 | 79% | 77% | 75% | — |
| 9 | 77% | 75% | — | — |
| 10 | 75% | — | — | — |
同じRPEでも、行が変われば%も変わります。RPE 8なら、1回は1RMの91%、8回は75%です。回数を示さない「RPE 8 = 85%」には、意味がありません。
0.5刻みのRPEの%は、前後のRPEのちょうど中間です。
| 回数 | RPE 9.5 | RPE 8.5 | RPE 7.5 |
|---|---|---|---|
| 1 | 97% | 92% | 90% |
| 2 | 92% | 90% | 87% |
| 3 | 90% | 87% | 85% |
| 4 | 87% | 85% | 82% |
| 5 | 85% | 82% | 80% |
| 6 | 82% | 80% | 78% |
| 7 | 80% | 78% | 76% |
| 8 | 78% | 76% | — |
| 9 | 76% | — | — |
「—」は、余力回数を含めると10回を超えるセットです。RPE 7で8回なら、行った8回に余力の3回を足して11回になります。10回を超えると、1RMの計算式によって結果の差が大きくなります。そのためページ上部の計算ツールでは、重量の前に「≈」が付き、1RM計算機の7つの計算式による幅もあわせて表示されます。
RPEから1RMを計算する方法
限界の手前でやめたセットは、余力回数を足せば、限界まで行ったセットとして計算できます。余力を2回残した5回のセットは、限界まで行った7回のセットと同じ重量です。公表されている換算表も、この考え方で作られています。そこで1RMを推定するときは、行った回数に余力回数を足してから、Epley式に当てはめます。
1RM = 重量 × (1 + (回数 + RIR) ÷ 30)
例:RPE 8(余力2回)で80 kgを5回なら、80 × (1 + 7 ÷ 30) = 98.7 kgです。同じ80 kgで5回でも、限界まで行ったRPE 10のセットなら、80 × (1 + 5 ÷ 30) = 93.3 kgです。
逆に、使う重量は、1RMに換算表の%を掛けて求めます。1RMが100 kgなら、RPE 8で8回は75%なので、75 kgです。
余力回数を足すところまでは、公表されている換算表と同じです。足した回数にEpley式を使うのは、Logが選んだ方法です。この%を実測の1RMと比べた研究は、Logが調べた限り見つかっていません。RPE 10では、1RM計算機と同じ計算になります。
RPE換算表によって数字が違う理由
ほかにも、よく使われている換算表が2つあります。どちらもこのページと同じく、行った回数に余力回数を足して計算します。違うのは、それぞれの回数に当てはめる%だけです。
- Reactive Training Systemsの表:最も多く転載されている表で、Mike Tuchschererの会社が公開したものです。作者自身は、各自が自分用の表を作るよう勧めていて、この表から1RMを求めることは勧めていません。
- Helmsらの表:2016年に発表されました。もとになっているのは、経験の豊富な15人がスクワットで測定した3つの数値で、それ以外は推定値です。範囲は1〜8回、RPE 7〜10です。著者たちは、正確な換算表としては使わないよう求めています。
RPE 10で5回の場合、1つ目の表は86.3%、2つ目は85%、このページは85.7%です。余力回数を含めて10回までなら、このページの計算とそれぞれの表との差は2ポイント以内です。2つの表どうしの差も、同じくらいあります。
RPEの測り方
RPEは、計算で出す数値ではありません。セットを終えたときに、あと何回できたかを数えて見積もります。研究では、あと何回できるかを申告してもらい、そのまま限界まで続けてもらうことで、この見積もりの正確さを調べています。
- 実際よりも限界に近いと感じやすい:12件の研究、414人のデータを集めた2022年のまとめによると、あと何回できるかは、平均で約1回少なく見積もられます。
- 限界に近いほど正確:成人81人の研究では、余力が0〜5回のときの誤差は約1回、7〜10回のときは2回を超えました。
- 回数の多いセットほど外れやすい:平均16回のスクワットのセットでは、トレーニング経験のある男性が、「あと1回」と申告したときに2回、「あと5回」と申告したときに5回ずれていました。
- あとのセットほど正確:2022年のまとめによると、最初のセットより、あとのセットのほうが正確に見積もれます。
- 経験があっても正確とは限らない:2022年のまとめでは、トレーニング経験者のほうが正確だという結果は出ていません。一方で、経験の豊富な人のほうが正確で、1回の最大挙上では特にそうだとする研究もあります。
余力回数を1回読み違えると、推定1RMは約3%変わります。RPEが合っているかを確かめる方法として、Helmsらは、限界の手前でやめたセットにRPEを付けたあと、次のセットを同じ重量で限界まで行うことを提案しています。
RPE 10:限界までやるべきか
RPE 10は限界、つまりあと1回もできない状態です。2022年と2023年の2つの研究のまとめでは、限界まで行っても、手前でやめる場合を上回る明確な利点は見つかっていません。
- トレーニング経験者18人を対象にした2024年の研究では、限界の1〜2回手前でやめても、限界まで行っても、8週間後の大腿四頭筋の筋肥大は同じでした。
- 複数の研究をまとめた2024年の分析では、セットを限界に近いところで終えるほど筋肥大は大きくなり、筋力の伸びはほぼ変わりませんでした。著者たちは、この結果はまだ確定したものではないとしています。
- 2026年、アメリカスポーツ医学会(ACSM)は、限界まで行う必要はなく、限界の2〜3回手前でやめても、きつさは十分だとしています。また、目標にすべきRIRやRPEを具体的に決めるには、根拠が足りないとも述べています。
目標にすべきRPEについて、一致した見解はありません。また、「限界」という言葉の意味も、研究によって違います。力を出し切っても挙がらなくなった回を指す場合と、自分でやめると決めた時点を指す場合があります。
RPEか、1RMの%か
プログラムでの重量の指定方法は2つあります。1RMの%(「80%で4 × 5」)と、きつさ(「RPE 8で4 × 5」)です。%は過去の結果がもとになり、RPEはその日の調子に合わせられます。また、同じ%でできる回数は人によって違いますが、RPEならその違いも反映されます。
どちらが優れているかについて、研究の結論は出ていません。
- 8週間の研究では、トレーニング経験のある男性の伸びは、1RMの%で重量を決めた場合も、目標のRPEに合わせて重量を選んだ場合も、ほぼ同じでした。
- 12週間の研究では、トレーニング経験のある男性31人のスクワットは、最初に決めた%を使うより、余力回数で重量を調整したほうが伸びました。
- 2022年のまとめでは、どちらの方法でも筋力の伸びに差は見られませんでした。ACSMも、データはまだ不十分だとしています。
2つの方法は併用できます。最初の重量は%で決め、そのあとは目標のRPEの範囲に収まるよう、セットごとに重量を調整します。
RPE、ボルグスケール、セッションRPEの違い
RPEと呼ばれるスケールは3つあり、それぞれ測るものが違います。
- ボルグスケール:6〜20の数値で、持久系の運動や運動負荷試験で使われます。全身で感じるきつさを表します。
- セッションRPE:1回のワークアウト全体に1つの数値を付け、それにワークアウトの時間を掛けたものです。トレーニング負荷を週ごとに追うために使われます。
- セットごとのRPE:このページで扱っているRPEです。セットを終えたあとに、余力回数をもとに1〜10の数値を付けます。
運動のきつさを数値で表す方法は、Gunnar Borgの研究から始まりました。1970年に6〜20のスケールが発表され、1982年には、CR10と呼ばれる10段階のスケールが発表されました。
あと何回できるかを数える方法は、パワーリフティングから生まれました。学術論文では、コーチのMike Tuchschererが2008年の教本で示した考え方とされています。Tuchschererのスケールでは、0.5刻みの数値は迷いを表します。9.5は「あと1回できたかもしれない」という意味です。2016年のスケールでは、同じ9.5を「重量は少し増やせた」と読みます。2012年のボディビルダー17人を対象にした研究では、あと何回できるかは正確に見積もられていました。一方、従来のきつさの数値は、限界まで行っても最大値に届きませんでした。
LogでのRPE
Logは、このページを公開しているiPhoneの筋トレ記録アプリです。RPEもRIRも記録しません。RPEを残したいときは、種目のコメントに「RPE 8」のように書きます。
一方で、限界まで行うセットには対応しています。Logに読み込むメモに「3 × max」と書いておくと、そのセットは「(max)」と表示されます。このセットには目標回数がないので、次回に上回る数字もありません。そのためLogは重量を上げる提案をせず、次のように表示します。「限界まで追い込んだセットからは提案できません。1〜2回の余裕を残して目標を目指してください。」Logが使っているルールは、漸進性過負荷の記事で説明しています。
種目ごとの詳細画面にある「e1RM」(推定1RM)のグラフは、行った回数だけをEpley式に当てはめたもので、余力回数は含みません。限界まで行った2〜10回のセットなら、このページと同じ数値になります。手前でやめたセットでは、Logに表示される推定1RMのほうが低くなります。
バーを含めるのか、ダンベル1個分なのかといった重量の記録ルールは、ガイド「セット、回数、重量の記録方法」にあります。2つのワークアウトを並べて見返すには、「条件をそろえてワークアウトを比較する」をご覧ください。
このページは、スケールと計算方法を説明するものです。医師の判断や、資格を持つ専門家の指導に代わるものではありません。
よくある質問
筋トレのRPEとは?
RPE(rating of perceived exertion、主観的運動強度)は、セットを終えたあとに付ける1〜10の数値です。7〜10では、あと何回できたかを表します。10は0回、9は1回、8は2回、7は3回です。
筋トレのRIRとは?
RIR(reps in reserve、余力回数)は、セットを終えた時点であと何回できたかを表す回数です。RIR 2は、限界の2回手前でやめたという意味です。
RPEとRIRの違いは?
表している内容は同じです。RIRはあと何回できたかを数え、RPEはきつさを10段階で表します。RPE 7〜10では、2つを足すと10になります。RPE 10はRIR 0、RPE 9はRIR 1、RPE 8はRIR 2、RPE 7はRIR 3です。
RPE 8とは?
余力を2回残して終えたセットです。あと2回はできても、3回はできなかった状態を指します。「RPE 8で3 × 5」は、7回挙げられる重量で5回を3セット行うという意味です。
筋トレでRPE 7はどういう意味ですか?
あと3回できた状態です。余力を1回単位で数えるのは、RPE 7までです。5と6はまとめて「あと4〜6回」にあたり、1〜4は、軽く感じる状態を表すだけです。
RPE 8.5とRPE 9.5の意味は?
RPE 8.5は、あと1〜2回できた状態です。RPE 9.5は、あと1回もできなかったものの、重量はもう少し増やせた状態です。
RPEから1RMを計算するには?
行った回数に余力回数を足し、Epley式に当てはめます。1RM = 重量 × (1 + (回数 + RIR) ÷ 30)です。RPE 8で80 kgを5回挙げた場合は、80 × (1 + 7 ÷ 30) = 98.7 kgです。
RPE 8は1RMの何%ですか?
回数によって変わります。このページの計算では、1回なら91%、5回なら81%、8回なら75%です。回数を示さずに「RPE 8は何%」と言っても、意味がありません。
RPE換算表によって数字が違うのはなぜですか?
同じ回数に当てはめる%が、表によって違うためです。Reactive Training Systemsの表、Helmsが2016年に発表した表、このページの計算は、どれも行った回数に余力回数を足して計算します。余力回数を含めて10回までなら、このページの計算と他の2つとの差は2ポイント以内です。このうちのどれかを実測の1RMと比べた研究は、Logが調べた限り見つかっていません。
限界まで行わずに1RMを推定できますか?
はい。余力回数を足して計算します。RPE 8の5回は、限界まで行った7回として計算します。ただし、推定値はRPEの付け方に左右されます。余力回数を1回読み違えると、推定1RMは約3%変わります。
毎セット限界まで行うべきですか?
2022年と2023年の2つの研究のまとめでは、限界まで行うセットに、手前でやめるセットを上回る明確な利点は見つかっていません。アメリカスポーツ医学会(ACSM)も2026年に、限界まで行う必要はないとしています。目標にすべきRPEについて、一致した見解はありません。
筋トレのRPEはボルグスケールと同じですか?
いいえ。ボルグスケールは6〜20の数値で、持久系の運動での全身のきつさを表します。筋トレのRPEは1〜10で、セットを終えた時点であと何回できたかを数えます。ランニング用のRPE表は、同じようには読めません。
LogでRPEを記録できますか?
LogにRPEやRIRの入力欄はありません。「RPE 8」のように、種目のコメントに書いておけます。
参考資料
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